水虫を治すのは難しいとされていたのは過去の話です。医薬品の研究が進み、いまではきちんと完治できるようになりました。しかし完治するためには、正しい知識と治療が必要です。
治ったと思ってもまた繰り返す、そのような水虫の症状の場合は、治療が間違っている場合があります。いくら薬学が進化しても、正しい使い方をしなければ、その効果を十分に感じることは出来ません。
水虫は珍しいものではなく、どこにでもある病気です。治療が難しい病気でもありません。それなのに、多くの人が長年水虫と戦っているのには、理由があるのです。
人前で堂々と素足でいられるためにも、何年も水虫と戦い続けている人は、これを機会に正しい知識と治療法を身に着けて、今度こそ完治を目指しましょう。

趾間型水虫って何?白癬菌って何?

国民の5人に1人は感染しているとも言われる水虫ですが、なかでも多いのは趾間型といわれ、足の指の間に出来るものです。特徴としては指の間の皮が白くふやけて、とても強いかゆみを伴います。
自分では気づかないうちに掻きむしってしまうことも多く、掻いたことによって皮がめくれ、赤くただれて炎症を起こすこともあります。
趾間型水虫の特徴としては、患部がじゅくじゅくして湿っていることがあげられます。趾間型水虫は、かゆみを我慢して刺激を与えずに、出来る限り清潔にし続けることで治療の効果が上がります。

水虫の原因とは?

では水虫の原因とは何なのでしょうか。実は白癬菌というカビの一種なのです。とはいっても、白癬菌は決して珍しい菌ではありません。
日本人の25%は白癬菌の感染者とも言われているため、それらの人が歩いたカーペットやフローリング、共用のスリッパやサンダル、公衆浴場やプールなどのマット類には必ずいるといっても過言ではなく、ごく当たり前にいる菌なのです。
ただ、白癬菌が皮膚に付着したからと言って、すぐに水虫になるわけではありません。水虫になるには、皮膚表面の角質層に入り込む必要があります。
ところがこれには24時間ほどかかってしまうため、それまでに清潔に洗い流すなどすれば感染を防ぐことは可能なのです。
白癬菌が活発に動くようになるには、温度が15度以上、湿度70%以上というのが条件です。この条件は、革靴やブーツを履きっぱなしにしているときに整う場合が多く、そうなってくると途端に増殖を始めるのです。
もし白癬菌が角質層に入り込むと、ケラチンを餌にそのまま住み着いてしまうことになります。

白癬菌の初期症状について

白癬菌感染の初期症状は、かゆみや痛みなどは感じないこと多く、気づかずに進行すると水ぶくれや皮剥けといった症状に変わっていくのです。
白癬菌は、温度と湿度が低い冬の間は活動を停止してしまいます。停止したからと言って死滅したわけでなく、春から夏を迎えて高温多湿のシーズンに入ると、再び活発に動き出すのです。
また白癬菌は臭いがあるという人もいますが、これは正しくはありません。水虫になりやすい人というのは、足裏の環境が湿っぽくて高温になりやすい環境下である場合が多いです。
そういった高温多湿の環境は、臭いのもとである他の常在菌も繁殖しているのです。
水虫が治りにくいと言われるのは、高い確率で再発してしまうからです。しっかりと白癬菌を死滅させ、常に足の環境を清潔にしておくことが完治へのポイントとなります。
自分が水虫に感染しているかどうかは、見た目で判断してはいけません。白癬菌がいるかどうかは、皮膚科専門医が顕微鏡で検査をすることで判断できます。

水虫は治療薬を使えば治る

一昔前までは、水虫は治らない病気と考えられてきました。しかし医薬品が進化し、殺真菌作用のある薬が開発されてからは、完治することも可能となりました。
水虫に効く抗真菌薬は、とにかく継続して使用することが大切です。水虫が治りにくいとされているのは、自己判断によって薬を塗ることをやめてしまう場合が多いからです。趾間型の水虫と診断され、抗真菌薬を処方された場合、1週間ほどで塗るのをやめてしまう場合が見られます。これは、抗真菌薬というのは非常に殺菌効果が高く、1週間も塗り続けると白癬菌がかなり減少します。
同時に、かゆみやじゅくじゅく、皮剥けといった症状も改善することが多く、治ったと思って薬を塗るのをやめてしまうことが多いのです。1週間では、白癬菌の活動が少し治まっただけで、完全に死滅したわけではありません。再び高温多湿の環境が整うと活動的になり、同じような症状が現れるようになります。水虫が治りにくく再発しやすいというのは、こういった抗真菌薬の間違った使い方に原因があるのです。
水虫をきちんと治すためにも、処方された薬は継続して塗り続け、白癬菌が完全に死滅したことを皮膚科で確認してもらうことが大切です。

ケトコナゾールって何?副作用はないの?

ニゾラールクリームの画像こういった治りにくいとされる水虫に効果のある治療薬に、ニゾラールクリームがあります。ニゾラールクリームは、水虫に効果の高い抗真菌薬で、ケトコナゾールという成分が配合されています。
ケトコナゾールの特徴は、効き目が強く副作用が比較的少ないとされることです。
なぜケトコナゾールは効果が高いのかというと、細胞壁に作用する薬だからです。趾間型水虫の原因である白癬菌は細胞壁をもっています。
細胞壁の中にある細胞膜の成分はエルゴステロールと呼ばれるものです。ニゾラールクリームに含まれるケトコナゾールは、このエルゴステロールの生成を阻害して、細菌の増殖を防いだり、抑えたりする働きがあるのです。
そのように優れた作用を持つケトコナゾールであれば、人間の細胞にも作用し、悪い影響を与えるのではないかと心配する人もいる事でしょう。
人間の細胞というのは、コレステロール成分で作られた細胞膜に囲まれています。ケトコナゾールはエルゴステロール成分に作用する薬であり、コレステロールが主成分の人間の細胞に副作用を与えることはないのです。
ただし副作用が認められないのは、きちんと適量を守った場合です。いくらコレステロールの細胞膜に影響を与えないとはいえ、高濃度のケトコナゾール成分を投与した場合は、コレステロールを分解させるのに必要な、大切な酵素群を阻害する可能性も出てきます。
局所に塗るクリームの場合は、こういった深刻な副作用は報告されていません。ただまれに、塗布することでかゆみがでたり、塗った部分が赤くなったり、ピリピリした刺激を感じることもあります。皮膚が弱い人は特に注意をし、1日1回という適量を守るように心がけましょう。

ケトコナゾール配合薬の種類について

真菌に強い効果のあるケトコナゾール配合の医薬品は、クリームやスプレー、内服液があります。ニゾラールクリームは、じゅくじゅくしている患部に最も適しているタイプです。
1日1回きちんと塗ることで効果を発揮します。またじゅくじゅくだけでなく、乾いた患部にも効果が高い万能型とも言えます。
ケトコナゾールスプレータイプは、アルコールが含まれています。患部に吹き付けることで刺激を伴う副作用もあります。ただし薬の成分が浸透しやすく、広範囲に薬剤を塗りたい場合には効果的です。
通常は1日1回の噴霧で十分な効果が得られます。このスプレータイプはニゾラールシリーズにはなく、後発のジェネリック医薬品でしか販売されていません。
最近はあまり処方されないケトコナゾールの内服薬もあります。副作用として肝臓への毒性が認められ、患者への負担が大きくなることがあげられます。
また、吸収がされにくく、クリームやスプレーと異なり、効果のある真菌が限られているのです。そのために、現在ではあまり内服薬は処方されません。
ニゾラールクリームが、ケトコナゾールを主成分とした先発薬となる一方で、後発薬のジェネリック医薬品も次々に発売されています。ニゾラールクリームよりも、薬価が安くなるため、継続して使用したい水虫薬としてはメリットがあります。
ジェネリック医薬品の真菌の効果は、詳しい調査がされていないためにわかりませんが、ニゾラールと同様の効果は認められ、副作用はあまりないと考えて大丈夫でしょう。
ニゾラールクリーム等を足裏に塗る場合には、患部だけでなく足裏全体にも塗ることが推奨されています。これは真菌が患部だけでなく、かかとなど他の部位にも侵入している可能性があるからです。
クリームは塗ると油っぽい状態になります。お風呂に入って清潔にした後、足裏全体に塗布するようにし、そのあとは外出などは避けるようにするといいでしょう。
素足で歩きまわると、床を汚すことにもなるので、清潔なスリッパや靴下などを履くか、就寝直前に塗布するようにすることがおすすめといえます。

水虫の他にも脂漏性皮膚炎や性病のカンジダ症にも効く

ニゾラールクリームを初めとした、ケトコナゾール成分が配合されている抗真菌薬は、水虫以外の症状にも効くことがわかっています。これはケトコナゾールが、広範囲の真菌に作用するからです。
例えばニゾラールは、脂漏性皮膚炎の症状にも有効とされています。脂漏性皮膚炎は、皮膚に常に存在する、マラセチアというカビの一種が原因とされています。皮脂の分泌が盛んな人は、マラセチアが増殖しやすい体質でもあります。なぜなら、マラセチアは皮脂を餌に増殖するからです。マラセチアの過剰な増殖が脂漏性皮膚炎につながるため、ニゾラールクリームを塗布することで、原因菌を減らしてあげることが有効な治療となるのです。
脂漏性皮膚炎の場合は、少し多めの1日2回の塗布が有効とされています。水虫と同様に、清潔な肌に塗布することが望ましいため、朝の洗顔後と入浴後のタイミングで塗布するといいでしょう。
他にもニゾラールは、性病であるカンジダ症にも効果があります。カンジダ症の病原菌は、カンジダ菌と言われるカビの一種、真菌です。ですから、ケトコナゾール配合のニゾラールクリームは有効な治療薬でもあるのです。カンジダ菌の細胞膜も、白癬菌と同様エルゴステロールで作られています。そのため、ケトコナゾールの細胞膜生成阻害効果がよく効くのです。

カンジダに治療にニゾラールクリームを使う

カンジダ症に使用する場合は、水虫と同様1日1回の塗布となります。体が温まって皮膚が柔らかくなっている入浴後は、薬の浸透がしやすいのでおすすめのタイミングです。症状のみられる、患部全体にしっかり塗り込むようにしましょう。カンジダ症の場合も、短期間ではなく継続的な使用が効果的です。症状が完全に消えるまで塗布することが大切ですが、少なくとも3週間ほどは塗り続け、まだ完全に消えないようなら続けて塗るようにします。
カンジダ症は性交渉によって感染することが知られていますが、実は女性器のなかに常在する菌でもあります。そのため女性であれば、生理前後のホルモンバランスが崩れた時や、ストレスなどで免疫力が低下しているときにも、カンジダ菌が異常繁殖し症状を引き起こすことがあるのです。
性交渉の思い当たる節がない場合でも、カンジダ症の疑いを持ったときは、恥ずかしがらずに早めに婦人科を受診し、検査を受け、ニゾラールの処方を受けた方がいいでしょう。もし病院に行くことが難しい場合は、通販を利用して輸入ニゾラールクリーム20mgを購入することも可能です。カンジダ症は、ごく軽い症状であれば自然治癒することもあります。しかし大半は再発することが多い病気です。放置することで、排尿痛やおしっこが出ないなど、膀胱炎による排尿障害を引き起こしたり、下着におりものが付着して強い悪臭を放つこともあります。
男性のカンジダ症であれば、治療をせず放置することで尿道炎や亀頭包皮炎を引き起こすこともあります。男性は性器が身体の外に出ているため、清潔にしやすくカンジダ症にもなりにくいと言われています。しかし包茎であったり、下着の通気性が悪く常に蒸れている状態だと、発症する可能性もあります。
何度も再発を繰り返すことで、病気が慢性化してしまうこともあるので、きちんと薬によって治すことが大切です。毎日忘れずに薬を塗布し、患部を清潔に保つことは、水虫・脂漏性皮膚炎・カンジダ症、どれにも共通する治療法です。
真菌による皮膚疾患は、自己診断ではなく専門医の診察がとても大切です。症状が出たからと言って勝手に判断するのではなく、専門医に症状を説明し、きちんと検査したうえで治療を開始することがもっとも重要です。
治療中も症状が改善されたからと勝手に薬をやめず、経過を医師と相談しながら進めていく事が大切です。何度も再発を繰り返すのではなく、きちんと完治を目指す治療を行っていきましょう。